Sisense日本公式ブログ

CMOが業務フローにデータ分析を取り入れるべき理由

作成者: マーケティングチーム|Aug 23, 2021 2:21:47 PM

 

マーケティング部門は、業界を問わず、企業の中で最もデータを活用する部門の一つと言えます。とはいえ、すべてのマーケティング組織が、自由に使えるデータを最大限に活用しているわけではありません。

 

Sisense社が委託し、Harvard Business Review(HBR)が実施した2021年の調査によると、回答者の77%が誰しもがデータにアクセスできる「データの民主化」がビジネスの成功に重要であると答えています。しかし、いくらデータにアクセスできても、分析したデータから得られる示唆をチームが実際に活用し、適切な場所と時間で適切なアクションを起こさなければいけません。

 

そのためには、業務フローにシームレスに組み込まれた実用的な情報が必要です。

HBRの同じ調査では、調査対象者の51%が、自社ユーザーは必要なインテリジェンスを通常のワークフロー外のプラットフォームから入手しなければならないと答えています。

さらに18%は、ワークフローから外れるだけでなく、ITチームに必要な情報を毎回リクエストをしなければなりませんでした。IDCの調査(Sisense社が委託)では、BIツールを活用しているユーザー61%がワークフローに分析業務を組み込む方法を模索していると答えています。

 

 

CMOに課せられた使命は、マーケティング部門全体に解析ツール(BIツールなど)を導入することです。しかし、導入だけではいけません。世の中では、BIツールの進化やデータ民主化が進むことで、分析の土台が築かれつつありますが、さらに通常のワークフローに分析環境を導入することで、情報をいつでも入手出来、次のレベルに進むことができます。

グロースマーケティングを成功させるために、データのワークフローを最適化させる必要がある。

トップから始めよう データを活用したマーケティング戦略の推進

CMOには多くの重要な任務がありますが、その中でも特に顧客とクリエイティブにつながることが重要です。CMOは、過去のマーケティングデータやトレンド情報などの膨大なデータセットから得られる実用的な情報と、顧客とつながるためのクリエイティビティを組み合わせることが重要になっています。

 

マッキンゼーは、200人以上のCMOとシニアマーケティングエグゼクティブを対象に調査を行いました。その結果、データとクリエイティブな思考を組み合わせたマーケターは、そうでないマーケターよりも成長を促進することがわかりました。また、顧客体験を改善する際に4つ以上のインサイトを統合することで、従来のようにアナリティクスをクリエイティブなプロセスと切り離して考えるよりも、より良い結果が得られることがわかりました。

 

CMOのあなたが本気で組織に変革を起こそうと思っているなら、トップダウンのリーダー

シップと部下の日々のワークフローに、適切で実用的な情報を注入することが必要です。

アナリティクスは、四半期ごとのビジネスレビューやキャンペーンの事後検証のためだけのものではありません。あなたとあなたのチームが毎月、四半期、キャンペーンのための戦略を考えるとき、アナリティクスと創造的な思考は密接に結びついていなければなりません。

 

コロナ禍によってもたらされた地球を揺るがすような変化に晒され、消費者の行動は絶えず変化し、マーケター(そして他のあらゆる職種)はそれに追いつくために適応しなければなりませんでした。適切なBIツールを見つけて、実用的な情報をワークフローに導入するのに、これほど適した時期はありません。そうしないと、データではなく直感で判断するようになってしまいます。

複数のデータソースから実用的なマーケティングインテリジェンスを導き出す

CMOとして成功するためにも、クリエイティブなキャンペーンを展開するためにも、データを分析して得られる示唆が不可欠であることがわかったところで、今度はそのデータがどこから来るのか、どうやって最大限に活用するのかを考えてみましょう。

 

簡単に言えば、顧客データはどこにでもあるということです。

数え切れないほどのソーシャルメディアプラットフォーム、チャットボット、音声検索の急速な普及により、経験豊富なマーケティング担当者は、消費者が何をしようとしているのか、これまで以上に多くの情報を得られるようになりました。しかし、インサイトとインテリジェンスはイコールではありませんし、次のステップが何であるかを教えてくれるものでもありません。

 

そこで、AI機能を内蔵した適切なBIツールが、実用的なインテリジェンスへの道となるのです。AIは、自然言語処理(NLP)によってテキストデータを大規模に理解する鍵となります。この強力なBIツールを自由に使えるようになれば、CMOの力は飛躍的に高まります。この機能は非常に価値があると考えられており、2020年にSisenseが委託したIDC Internal Analytics Surveyでは、78%のビジネスリーダーがすでにBIツールにAIを使用していると報告しています。残りは近い将来使い始める予定で、38%のユーザーがNLPを搭載したソリューションを探していると答えています。

 

AIを搭載した強力な分析プラットフォームが、マーケティング組織全体のワークフローに実用的な情報を足すことで、よりスマートでデータに基づいた意思決定ができるようになるだけでなく、マーケティングプログラム全体を進化させることができます。

様々なキャンペーンのROI、広告やコンテンツの成功率など、重要なパフォーマンス指標を追跡するための膨大なデータはすでに持っていますが、適切なアナリティクスを導入することで、IT部門や技術チームの助けを借りずに、データをより活用できるようになります。何よりも、適切なデータポイントが適切な人に適切な時間と場所で提示されるので、意思決定の際にダッシュボードやグラフにアクセスするために別なプラットフォームへいく必要もなく、ワークフローを離れる必要がありません。これが真の組織変革です。

顧客事例「Wizits」:データドリブンなマーケティング組織の構築

この時点で、あなたの頭の中には、チームがデータを活用してよりスマートに仕事ができるようにするためのビジョンが浮かんでいることでしょう。よりクリエイティブなキャンペーンを考えたり、意思決定を効率化したり、データを扱う時間を削減して得意分野に集中したり。しかし、これは実際にはどのようなものなのでしょうか。

 

モバイルゲーム会社のWizitsは、適切な分析・BIプラットフォームがビジネスを完全に進化させ、その結果、重要なビジネス上の意思決定の85%がプラットフォームから得られた情報によって行われるようになったと示しています。

当初、創業者兼CEOのYair Panet氏は、弊社で元々扱っていたBIツールを管理していましたが、Wizitsの課題が増えるにつれ、先に利用していたBIではそのニーズに応えられなくなってきました。

 

ヤイアと彼のマーケティングマネージャーにとっては、実用的な情報を簡単に引き出せることが重要であり、人員を増やさずに自分たちで処理できるソリューションが必要でした。Sisenseに切り替えたことで、異なるデータセットからのデータを使って構築されたデータモデルにより、世界各地でのマーケティング活動の成果や、どのゲームがより人気があるのかなど、あらゆる角度からの情報を得ることができました。

これにより、ある地域でのサクセスストーリーを他の地域でも展開できるよう、マーケティングやロールアウトの取り組みを進化させることができました。

 

部門間の壁を取り払い、データセットを非公開にして、技術者ではないユーザーにもデータを扱えるようにすれば、進化のチャンスは無限に広がります。すべてのCMOは、組織内のすべてのチームとユーザーがデータをより活用できるようにするにはどうすればよいかを考える必要があります。

データドリブンな未来を目指して

役員や基幹業務担当者に、自分の部署がデータドリブンであるかどうか(あるいはそうなりたいかどうか)を尋ねると、誰もが "イエス!"と答えるでしょう。しかし、それが何を意味するかははっきりと理解されていません。しかし、経験豊富なCMOは、複数のデータソースから抽出した実用的なインテリジェンスを、部門全体のワークフローに直接注入する必要があることを理解しています。

 

ダッシュボードやレポートをチームに配布して、それがポジティブな変化につながることを期待するだけではうまくいきません。マーケティング部門全体の進化を真に促進するためには、あらゆるスキルレベルのユーザーが、適切な場所と時間に適切なインサイトを見て、適切な行動に結びつけることで、より良い意思決定ができるようになる必要があります。適切なアナリティクスプラットフォームがあれば、どこのマーケティングチームでも、より良い未来を実現することができます。



※本記事は、「CMOs, It’s Time to Embrace Infusing Analytics into Workflows」を翻訳・加筆修正したものです。