小売業で成功するためには、些細なことにも気を配る必要があります。一般的なスーパーマーケットチェーンは、200のカテゴリー、20,000のSKU(ストックキーピングユニット、受発注や在庫管理を行う際の単位)、少なくとも30の店舗を管理しています。毎日、何百万ものデータが生成されますが、リアルタイムで分析できる人的リソースは限られています。そのため、スーパーマーケットチェーンは、データを管理して成長の機会を見出すために、ますますターゲットを絞った経営コンサルティングと、強力なデータおよび分析プラットフォームとの組み合わせに依存するようになっています。
Erea Consulting社は、ラテンアメリカとヨーロッパの小売業者向けに「EreaBI Analytics Platform for Retailers」を提供しています。これは小売業のサプライチェーン全体を対象とした汎用的なプラットフォームです。小売業とサプライヤーの双方に、ビジネスに不可欠な意思決定に役立つリアルタイムなインサイトを提供し、利益を増大させ、小売業が店舗で日々生成する膨大な量のデータを収益化するのに貢献します。ラテンアメリカ市場で100店舗のスーパーマーケットを運営し、Walmartと互角に競争している小売大手のUnisuper社にとって、本製品の導入は、小売業のデジタルトランスフォーメーションを迅速かつ収益性の高いものにするための鍵となりました。
一般に、小売企業とサプライヤーの間のデータ共有はあまりうまくできていません。いままでの情報共有では、サプライヤーにリアルタイムにインサイトを提供することができていませんでした。しかし、サプライヤーは在庫の決定、リソースの割り当て、そして最も重要なことである積極的なプロモーション活動をすすめるために、リアルタイムのインサイトを必要としています。
多くの場合、データは日次で分割された膨大なエクセルファイルで、月に一回まとめて共有されます。これでは非常に時代遅れで非効率的です。
例えば2月の初めに行ったプロモーションの効果は、3月の半ばにデータが送られてくるまで評価できません。さらに分析に時間がかかってしまうと、サプライヤーがそのインサイトに基づいてようやく行動できるのは、プロモーションが実施されてから6週間後ということになります。高度なデータ分析を行うことができる小売業者は、このデータをうまく処理して今後のプロモーションに生かすことができるかもしれません。しかし、素早くプロモーションを実施し、リアルタイムに戦略を見直すために必要なデータはありません。
Erea Consulting社は、小売企業やFMCG企業が慣れ親しんできた、非効率なデータ共有プロセスに取って代わりたいと考えていました。市場は、小売業者とサプライヤーの日常的な連携に革命を起こすデータや分析プラットフォームを活用することを切望していました。
Erea Consulting社は、データへのアクセスの部分が改善されれば、サプライヤーはより戦略的にリソースを活用できるようになり、小売業の収益にもプラスの影響を与えることができると考えていました。これが実現すればサプライヤーと小売業の双方に有益です。
しかし、小売企業がサプライヤーのデータを収益化し、サプライヤーが購入するような形でパッケージ化するという大きなハードルがありました。
「デジタルトランスフォーメーションは誰もが注目しています。大企業はこのような計画に数千万ドルを費やしています。しかし、小売業のお客様の多くはデジタルトランスフォーメーションの取り組みに対して、すぐに具体的なROIを得られるものにしたいと考えました。」とErea社の担当は語っています。
UNIBI Platform for Retailersは、Sisenseのデータや分析プラットフォームとEreaの25年にわたる小売業界での専門知識を組み合わせ、小売業者とサプライヤーのあらゆるニーズに応えます。
このプラットフォームでは、スーパーマーケットと連携している250社以上の消費者向けの低価格の製品(日用消費財)を提供する企業(500人以上のユーザー)を繋ぎ、自社および競合他社のビジネスにおける売上、在庫、マージン、プロモーションの影響などに関する重要な情報や分析を提供しています。
ユーザーは、母集団のサンプルではなく、小売企業のロイヤルティプログラムに加入している数百万人の顧客に基づいて、顧客のプロファイルや行動に関する重要なインサイトを得ることができます。これはサプライヤーのマーケティング部門にとって非常に価値のある情報です。
EreaBI Analytics Platform for Suppliersは、高度な予測モデルを活用することで、サプライヤーチームが店舗ごとにSKUレベルで在庫を追跡し、より良い計画を立てることを可能にし、業界でかつてないほど素早い在庫配分を実現します。これにより、店舗間での在庫移動が可能となり、お客様がスーパーで買い物をする際に在庫切れを起こすことが少なくなります。
さらに、サプライヤーは実施中の店舗プロモーションのパフォーマンスを監視し、リアルタイムな対応ができるようになります。これにより、サプライヤーは自社ブランドと競合ブランドの両方でブランドスイッチとなるイベントとその原因分析を可視化し、市場シェアの動向をリアルタイムに把握することができます。
サプライヤーは、競合他社のブランドや製品が自社にどのような影響を与えているかだけではなく、どの程度の値引きをすれば、市場シェアを長く維持できるのかを知ることができます。これは非常に重要なインサイトです。
サプライヤーは、これらのインサイトを得るために数百万ドルを支払っています。このプラットフォームを見たサプライヤーは、入荷量の0.6%を手放すことになります。5億ドル規模のスーパーマーケットの場合、約300万ドルになります(COG調整後)。
年商5億ドルのスーパーマーケット・チェーンであるUnisuperは、OEMのUNIBIプラットフォームを介してサプライヤーにデータを販売することで、年間200万ドル近くの利益を出しています。
Unisuper社の担当者は以下のように語っています。
「データを活用して収益化するまでに5ヶ月かかりました。取引先には義務づけていませんが、そうしないとスーパーで競合するブランドに対して不利になることを知っています。このソリューションを導入してから、データ販売による収益が75%増加しました。サプライヤーからの入荷量は当初手放した0.6%に近づいてきています。そして何よりも素晴らしいのは、マネタイズが簡単なことです。サプライヤーも弊社の社内チームもはこのプラットフォームを求めています。」
最初の5ヶ月間は、Ereaチームが各スーパーマーケットの独自のニーズに合わせてツールをカスタマイズし、その後、プラットフォームへのアクセスをサプライヤーに販売できるようになりました。ここで、小売企業の内部チームにもプラットフォームの価値が直接伝わりました。小売側のサプライチェーンでは、各カテゴリー毎のマネージャーがプラットフォームを利用して、サプライヤーとの継続的な取引関係の収益性を分析・改善します。
プラットフォームへのアクセスを収益化するだけでなく、小売企業は、在庫回転の短縮やサプライヤーとのより効果的な交渉、より良いマーケティング投資につながるオペレーションの改善を行うことができます。EreaとSisense組み合わせで、小売市場において意味のあるデジタルトランスフォーメーションがついに実現しました。
※本記事は、「Erea Quadruples Data Revenue for Retailers with Sisense」を翻訳・加筆修正したものです。